日頃「孤独感」を感じている人は、早死リスクが高くなるという研究が発表されました。
シカゴ大・心理学・行動神経科学科のジョン・カシオポ教授らが
アメリカ科学振興協会/AAASで行った研究発表[Loneliness is a major health risk for older adults]によると、
日頃孤独感を感じている高齢者の早死リスクは、
人間関係に満足して暮らしている人と比べると、14%高くなるそうです。
孤独感による早死リスクは、肥満による早死リスクの2倍に相当するといいます。
孤独感はストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を増やし、
血圧や血糖値を上昇させ、炎症リスクを高め、
反対に免疫機能を低下させてしまいます。
それぞれの個人が感じる「孤独感」を定義するのはとても難しいことです。
一人で暮らしていても、社会的繋がりを保ち寂しさを感じることなく
孤独感の影響を全く受けずに過ごしている人もいるでしょうし、
家族と一緒に住んでいたとしても、孤立感や孤独感を強く持っている人もいるでしょう。
要は、物理的に一人でいることが孤独ではなく、
心情的に感じる寂しさが孤独という定義で研究が発表されていると思います。
私たち犬猫好きの人間は、常に犬や猫たちと触れ合って、
体温のぬくもりを感じて日々を過ごしていますね。
いつもそばに居てくれる存在があるということは、
心理的な安心感と満足感につながり、孤独感を遠ざけてくれるものだと思います。
小さな家族が居てくれてくれることは、本当にありたいたいことだなぁと思います。
ジョン・T・カシオポ プロフィール
ノートルダム大学、アイオワ大学、オハイオ州立大学などで教鞭を執り、現在はシカゴ大学ティファニー・アンド・マーガレット・ブレイク殊勲教授。科学的心理学会元会長。認知・社会神経科学センター所長。「社会神経科学」の創始者の一人。全米科学アカデミー・トロウランド・リサーチ賞、アメリカ心身医学会パトリシア・R・バーカス賞、アメリカ心理学会殊勲科学貢献賞ほか多数受賞。