月別アーカイブ: 2014年9月

カリカリで食べると歯石がつきにくい?


こんにちは、動物看護師の金丸です。

暑さが和らぎ過ごしやすい季節になりましたね。
キンモクセイの香りを嗅ぎながらわんこと散歩に行くのが楽しい毎日です。

最近こんな質問をいただきました。
「カリカリでドライフードを食べたほうが歯石がつきにくいんですか?」

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んん??と思って調べてみると、「カリカリで食べたほうが歯垢(しこう)が取れるからカリカリで食べましょう」といっているサイトがたくさんでてきました。

本当にそうなのでしょうか?
今回は歯石についてお話します。

歯垢(しこう)=食べかすではない

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歯石の原因といわれる「歯垢(しこう)は」歯に付いているネバネバした黄色いものですね。

これ実は食べかすのことではないんです。
歯垢(しこう)は口の中に住む細菌の塊のことをいいます。
この細菌が食べかすを餌として口の中で増殖していくんですね。

歯石にはどうやってなるの?

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歯石とは歯垢(しこう)が硬くなったものです。
歯垢(しこう)が唾液中のミネラルと結合して、硬くなります。
歯についた歯垢(しこう)は、2~3日たつと硬い歯石になります。
1度歯石になってしまうと歯磨きだけで取り除くことができません。

カリカリで食べても食べかすは付きます

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私たちがおせんべいを食べた後にさらにおせんべいを食べて、口の中に食べかすが残っていないということがあるでしょうか。

歯垢(しこう)は食べかすが付いていると増殖していきます。
歯垢(しこう)は口をゆすいだくらいではなかなか落ちません。

たとえ歯とカリカリフードの摩擦で多少歯垢(しこう)は取れたとしても、フードを食べるのでまた食べかすが付きますね。

食べかすがある以上歯垢(しこう)は増えますので、カリカリで食べても食べなくても、歯垢(しこう)そのものを取り除かないと歯石になってしまいます。

歯周病の原因は歯石ではなく歯垢(しこう)!?

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「歯周病」は歯肉炎(しにくえん)や歯周炎(ししゅうえん)・歯槽膿漏(しそうのうろう)などの総称です。

歯周病は歯肉(しにく)に炎症が起こることから始まります。
そのまま放置すると、歯周炎に進行します。

最終的には、歯肉が歯を支えきれず歯が抜けたり、歯肉の間から菌が入り込み、
あごの骨に炎症を起こしたりします。
歯の説明

お腹が空いているのに痛みでごはんが食べれないという可愛そうな状況になってしまいます。

この歯周病を引き起こす原因の多くは「歯垢(しこう)」です。
歯垢(しこう)の中には、歯周病をひき起こす細菌が潜んでいます。

じゃあ歯石ってとらなくていいの?

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歯周病を引き起こす原因は歯垢(しこう)の方が多いというだけで、歯石が原因で歯周病に絶対ならないわけではありません。
また、歯石の表面はざらついているため、食べかすや歯垢(しこう)が付着しやすい環境になります。

歯周病予防のためには、歯石もないほうがいいですね。

大切なのは毎日の歯磨き

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歯周病を予防するためには、歯石にさせないことも大事ですが、まずは歯垢を取り除くこと、つまり歯磨きをすることです。

カリカリであげたほうが歯石がつきにくいかを気にするよりも、歯磨きで毎日歯垢(しこう)を落としてあげるということのほうが歯周病の予防には大切だと思います。

とはいえ、
「なかなかうまく歯磨きできません」
「うちの子歯磨き嫌がるんです」

という相談もよく頂きます。
次回は「わかりやすい歯磨き方法」についてお話します。


  • 倉敷芸術科学大学 生命動物科学科卒業 / 日本動物看護協会 認定動物看護師 / 皆様の大切な家族が元気に過ごせるように、心を込めてサポートいたします。お気軽にご相談ください。趣味はガーデニングとアロマセラピー。好物はチーズケーキとかりんとうです。

野良猫ちゃんを保護してきました(その2)


こんにちは!ルシアンの水野です!

さてさて、無事野良猫ちゃんを保護してきたのは良いものの(野良猫ちゃんを保護してきましたその1)、保護経験も里親に出したこともない私達。

とりあえず、里親募集の方法を考えよう!ということで、ひとまず里親さんが見つかるまで、わたし、水野の家でお世話をすることにしました。

 

私の家に連れてきた初日、さすがに警戒して出てこないかな…と心配していましたが、そんな心配無用でした。

キャリーを空けてわずか20秒!!

まるで我が家であるかのように威風堂々とでてきました(笑)

 

そして数時間後には…

無題

ちょちょちょ、猫さん!くつろぎすぎじゃないですか…!

 

まるで人のような寝方に、笑いをこらえるのに必死でした。

(幸い一生懸命笑いを抑えたので、この寝方のままぐっすりとおやすみになってましたよ)

 

そんな保護猫ちゃんとの生活をしながら、一方では里親さんを探さなければなりません。

 

はじめは、「絶対良い飼い主さんを見つけてみせる!」と里親探しの方法や里親の条件を調べていたのですが、私自身、毎日保護猫と一緒に過ごすうちに、いつの間にか情が湧いてしまいました。

 

離れるのがつらい

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そう思ってしまった私には、もう里親さんは探せませんでした。

自分が里親になりたいとスタッフに伝え、話し合った結果、この保護猫は水野が引き取ることにしました。

 

半端な気持ちで飼うことがどれだけ動物に辛い思いをさせるか、捨てられた子達を見るとわかります。里親が見つからなかったからではなく、会社のためではなく、私個人がこの猫ちゃんと縁あって出会うことができ、一緒に生活を共にしたいと思って飼うことにしたのですから、この子が幸せで暮らせるように、これからたくさん愛情を注いでいきたいと思います。

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ちなみに、この子は「ゆず」と命名しました。

元気いっぱいやんちゃな男の子です。

もちろんごはんはヤラーです(^^)

 

これから少しづつですが、「野良猫、野良犬の殺処分」について、ルシアンが関わっていけるよう、勉強し、行動していきたいと思います。


  • 日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学科卒業 / 日本動物看護協会 認定動物看護師 / 勉強の毎日ですが少しでもワンちゃん、猫ちゃんと飼い主様のお役に立てるよう、全力でサポートいたします。食べることが好き。美味しいものを食べていると自然と笑顔になります。中学、高校時代は部活でバトミントンに明け暮れていました。

野良猫ちゃんを保護してきました(その1)


こんにちは!ルシアンの水野です! 

さて、ルシアンで掲げた目標 「殺処分ゼロ」

わたし自身、殺処分・動物虐待について幼いころから考えるものがあり、どうにかしてこの問題の改善をしたいと思っていました。( 小学4年生の時見た、「仔猫虐待の様子がウェブにアップされた事件」の衝撃と怒りは、今でも忘れません)

会社でこの目標を掲げ、まずは野良猫、野良犬の保護活動を!と意気込んでいたとき、同僚の丹羽さんから、「夫の職場の近くで、小さい仔猫がガリガリでさまよっている…」との報告が。

 

これは、助けるしかない!!!

 

詳しく聞くと、その地域は住宅もなく、まわりに親猫や兄弟らしき猫もいない、とのこと。(飼い主調査も行いましたが、やはり見当たりませんでした)

これは黙っちゃいられない!保護して里親を探そう!

そうしてルシアンの殺処分ゼロの第一歩となる活動が始まりました。

まずは捕獲しなければ話にならないと、休日会社に集まり捕獲作戦を決行することにしました。目標を掲げたとは言っても猫の捕獲なんて初めてです。軍手、網、タオルとダンボール、それとひっかかれないように長袖、暑さ対策のスポーツドリンク…とにかく必要そうなものをかき集めました。

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えさをあげると近寄って食べるという情報を得ていたので、あえて捕獲器は使わないことに。「中々近づいてこないんじゃないか」「上手く捕まえられず逃げてしまうのではないか」不安はよぎりましたが、やるしかない…

準備を整え、よしいざ出陣!

 

 

…と、その矢先。

おはようございま~す。猫ちゃん近づくとおなかを見せて懐っこかったので、捕まえてきちゃいました(^^)

 

あ、、あれ、、、?

 

ガリガリで1匹でいたという野良猫ちゃんは、相談してくれた丹羽さんがすでに捕まえていました。

元々私達と一緒に捕獲に行く予定だったのですが、その前の日に気になって現場に行っていたそうです。とても人懐っこい子で、簡単に保護できたとのこと。

 

…うん、無事保護できて良かった良かった(あの気合をどこに回して良いか混乱中)

 

なにはともあれ、猫ちゃんは大きな傷もなく一安心でした。

それしにても…

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初めての場所でもこの貫禄っぷり!

物怖じしない、野良ちゃんとは思えない子でした!

優雅にあっちをくんくん、こっちをくんくん…。人にも臆せず近づき、抱っこをすると喉をぐるぐる…。

 

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弊社のドッグスタッフ「メル」のほうが、気になってあたふたしていました(笑)

 

そんなこんなで、私達の意気込んだ捕獲作戦はどこへやら、保護猫ちゃんは一瞬でルシアンスタッフのハートを奪っていきました。

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本当に人懐っこくて、いろんなものに興味を持つ子でした。

こんな子が今まで1匹で生きていたなんて…。そう思うとなんだか切なくて仕方ありませんでした。

親猫が置いていってしまったのか、それとも親猫は車に轢かれて死んでしまったのか、あるいは誰かが捨てたのか、私達には本当のことはわかりません。

ですが、こうやって私達の元に来たひとつの小さな命を、全力で守らなければならないなと感じました。


  • 日本獣医生命科学大学 獣医保健看護学科卒業 / 日本動物看護協会 認定動物看護師 / 勉強の毎日ですが少しでもワンちゃん、猫ちゃんと飼い主様のお役に立てるよう、全力でサポートいたします。食べることが好き。美味しいものを食べていると自然と笑顔になります。中学、高校時代は部活でバトミントンに明け暮れていました。