キシリトール、犬にはチョコより危険!!


犬や猫に与えてはいけない食品に関しては後ほど詳述するとして、
昨年(2015年)末のWALL STREET JOURNALの記事を
まずはご紹介してみようと思います。

記事によると、
アメリカ・ノースカロライナ州に住むコックスさんの愛犬
ラブラドゥードル(プードルとラブラドール・レトリバーの交配犬種)のマーフィーが
テーブルの上にあったガムを足で叩き落として、20個ほど食べてしまったそうです。

しばらくしてマーフィーは吐き始め、その後、昏睡(こんすい)状態に陥り、
地元の動物病院で肝不全と言い渡されます。

みんなでお別れを言うようにと言われ、
子供達と一緒にマーフィーを抱いて泣いたコックスさんでしたが、
幸い三回の血漿輸血をしてマーフィーは復活します。

マーフィーを死の淵まで追いやった犯人はキシリトールでした。

キシリトールは、人間のガムによく使われているのを見たことがあると思います。
虫歯予防の効果を示す研究を挙げるガムメーカーもあるようです。
xylitolgum

人間が食べても安全とされていますが犬には非常に有害で、
犬に食べさせてはいけないことで有名なチョコレートの100倍もの毒性があるといいます

ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)のペット・ポイズン・ヘルプラインの
アナ・ブルトラーグ博士は、キシリトールに関する電話が「劇的に増えている」と警告しています。

ASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)は、2004年にキシリトール関連で82件の電話を受け、
その年に初めてキシリトールに関する注意警告を発しました。

その後キシリトール関連の中毒事故は増加の一途をたどり、
2014年には3727件の電話があり、少なくとも11匹が死亡したそうです。
報告されていない事故も多いとみられ、実際の中毒事故はこれより多いと推測されます。

キシリトールは植物から採取される糖アルコールの一種で、
人間は耐性がありますが、犬が摂取すると急激にインスリンが分泌され、
低血糖症状を引き起こし、発作や脳障害につながる恐れがあります。
重篤化すると肝不全の危険もあり、最悪の場合死至ることも。

博士によれば、キシリトールは同センターのスタッフが対応する食中毒の中でも最も危険な部類に入るが、
「キシリトールについて聞いたことがない」、あるいは、
「この無害な普通の甘味料がペットの毒になり得ることを知らない」犬の飼い主は依然多いとのことです。

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身近にあるガムで愛犬を危険な目に遭わせることのないよう、
キシリトール入りガムは、きちんと管理する必要がありそうです。

どうか皆さんも、キシリトールのガムを買った時は、
思わぬ事故が発生しないよう十分に注意して、
愛犬の手の届かない所に厳重にしまっておいて下さい。


  • 現在、カリフォルニア州サンタモニカで娘と二人暮し中。アニマルシェルターレポートや、アメリカのオーガニックの現状、ペットフード・ペット事情などを発信しています。電子書籍「本当は怖いペットフードの真実』がRCFパブシッシングから出版されました。 メディカルハーブ協会認定/ハーバルセラピスト、日本成人病予防協会認定/健康管理士一般指導員、ペットロングライフカウンセラー。 趣味は書道と植物のスケッチ、手作り化粧品やハーブのチンキ作り、ヨガと瞑想。