ヤラーのドッグフードに「ベジタリアン」があるのはご存知だと思います。
動物性のタンパク質に反応してしまうわんちゃんのためのフードで、
グルテンフリーの「センシティブ」と並んで、
ヤラーがいち早く取り組んだ特色のあるラインナップです。
「センシティブ」同様、「ベジタリアン」じゃなくちゃダメ!というわんちゃんも多いのです。
私の友人の中にも、ベジタリアンや、ビーガンの人がいます。
セリアック病やグルテン不耐症でグルテンが食べられない人のように
お肉にアレルギーがあるからベジタリアンという人もいますし、
家畜が殺されるのが嫌いだから(毛皮を着ないという主張と同じ趣旨ですかね)という人や、
お肉は好きじゃないから魚だけいただくという人など、
お肉を食べない理由は人それぞれのようです。
では、私たちの食べるものが、地球環境や自分たちの健康維持に影響を与えるから、
という理由でベジタリアンを選ぶというのはアリですか?
オックスフォード大学・マーティンスクールの研究チームがまとめた研究によると、
完全菜食主義(ヴィーガン)食が世界的に広まれば、
2050年までに800万人以上の命を救えるといいます。
このまま抗生物質を際限なく使い続けると、薬剤耐性菌が原因で
2050年までに1000万人が死亡するとう予測がありましたが、
(抗生物質と耐性菌のブログ記事をご参照ください)
菜食主義は逆に800万人を救えるというのです。
さらに、菜食主義により、2050年までに
温室効果ガスを3分の2削減できるのだそうです。
異常気象−1 山火事と洪水、異常気象-2 北極にまで及ぶエルニーニョの
二つの記事でも触れましたが、地球温暖化が深刻化し、
温室効果ガスの削減は急務となっています。
そして、菜食に関連してもたらされる人々の健康と、
気候変動による被害を食い止めることによる恩恵は、
1.5兆ドルの節約につながるとも述べられています。
彼らの研究では、食習慣を4つのグループに分け比較検討を行っています。
1) 従来の食習慣を続けた場合、
2) 適正量の果物と野菜を摂取し、牛肉などのred meatや砂糖を減らし、摂取カロリーを制限した場合、
3) ベジタリアンの場合、
4) ビーガン(完全菜食主義)の場合、の4つです。
2)の食習慣を行った場合、2050年までに510万人の死亡を回避でき、
3)のベジタリアンだと730万人、4)のビーガンの場合は810万人の死亡を避けられるとしています。
また、温室効果ガスの排出量は、2)で29%の削減が可能。
3)では63%、4)では70%が削減できるということです。
「私たちの食べものは、個人的な健康と、世界的な環境に大きな影響を与える」と
主任研究者のスプリングマン博士は言います。
もう少し、スプリングマン博士の言葉を引用してみます。
「我々は全ての人々がビーガンになることを望んでいるのではありません。
しかし、より健康で、環境にも優しい食習慣を受け入れることは、正しい方向性への大きな一歩となるはずです。
それによってもたらされる大きな恩恵は、食習慣が私たちの環境や健康を維持するのだという
確固たる信念を抱かせるのに十分だと言えるでしょう。」
ベリタリアンになる動機付けとして、
地球環境保全という壮大な話をされてもちょっとピンとこないですよね。
でも、食習慣は自分の健康として自分にも跳ね返ってくるのだと言われればどうでしょう。
ベジタリアンやビーガンは難しいとしても、
もう少し赤肉(牛肉やラム肉)の消費を減らす工夫をするとか、
その代わりに野菜や果物を摂取するとか、
砂糖の制限につて考えたり、食べ過ぎないように気を配ったりするのだったら
できるかもしれませんね。
日本食は世界の人々からヘルシーフードとして広く認知されています。
私たち日本人は、お魚を多く食べ(それも生のまま刺身としていただいていますし)、
味噌や納豆、甘酒など多くの発酵食品を味方にして健康を維持してきました。
完全なビーガンではないにしても、
野菜もお魚もお肉もバランス良く食べてきたと言えるのではないでしょうか。
世界文化遺産として登録された和食が
世界を、そして地球を救うかもしれませんね。