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小林 航 について

ルシアン代表・すばる動物病院院長。栃木県生まれ。酪農学園大学獣医学部卒、獣医皮膚科学会所属獣医師。薬の長期連続投与より、ナチュラルケや予防医学に力を入れたいという思いから、メディカルハーブ協会・ハーバルセラピスト資格も取得。飼い主さんの良きアドバイザーになれるよう日々勉強中。趣味はスキーとテニス、時々ゴルフ。

動物の誤食事故の原因となった危険物トップ10


こんにちは。獣医師の小林です。

前回、キシリトール入りガムに注意して!という記事を書きました。
チョコレートより犬にとっては毒性が強いので
何気なく部屋に置いておくというのはとても危ないですね。

さて、キシリトールガムだけでなく、家の中に潜む危険物。
こちらはASPCA(アメリカ動物虐待防止協会)の統計データです。
同協会のアニマル・ポイズン・コントロール・センターに寄せられた電話相談の中で
2014年に最も相談件数の多かった危険物のトップ10がランキングで発表されています。

1位:人間用処方薬
その中でも特に多かった3つは、心臓の薬(特に降圧剤など)、抗鬱剤、鎮痛剤です。

2位:人間用市販薬
この中には6,900種類以上の異なる製品が含まれます。
このカテゴリーの事故が増加した背景には、ハーブやその他のナチュラルサプリメントなどの流行があるものと思われます。

3位:殺虫剤
昨年まで2位にランクした殺虫剤が3位にランクを下げました。問い合わせ全体の9.1%を占めます。

4位:家庭用品
洗濯用品、接着剤、ペンキなど、動物が近づくことができておもちゃにしたくるようなモノ。全体の8.1%.

5位:人間の食べ物
犬はキシリトール、ブドウ、干しぶどう、玉ねぎやニンニクが大好きです。
あいにく、彼らは1キロのブドウをたいらげたら救急治療室に行く羽目になることを知りません。

6位:獣医薬(動物用医薬品)
主に、非ステロイド抗炎症剤、フィラリア予防薬、関節用サプリメントなど。問い合わせの7.3%。

7位:チョコレート
1日に平均26件の電話があります。
特にイースター、ハロウィーン、バレンタインデーやクリスマスは、センターと動物病院にチョコレート関連の電話が殺到します。

8位:植物
室内の観葉植物など。猫の問い合わせが犬を上回る項目です。⇨「要注意の危険な植物」の記事はこちら

9位:殺鼠剤
昨年から順位を一つ下げましたが、犬や猫が誤食する可能性のある危険な薬剤の一つです。

10位:芝・園芸用品
ペットの手の届かない所に保管されていない、散布した薬剤が乾く前に芝生や庭に立ち入ることができてしまうなどの問題があります。

pills_1

飼い主さんの医薬品を誤飲してしまうことが多いという結果になっています。

特に犬や猫にとって危険な人間用の市販薬の成分は
NSAID(非ステロイド系抗炎症剤)のイブプロフェンやナプロキセンなどです。
風邪を引いた時にお世話になったことがあると思います。
犬猫には少量でもとても危険です。

同じく、一般的な鎮痛解熱剤の成分、アセトアミノフェンも注意が必要です。
アセトアミノフェンは特に猫に影響が強く出て、赤血球にダメージを与え酸素供給に支障をきたし、
効き目の強い薬剤だとたった1錠でも致命傷となることがあります。

5位にランクインした「人間の食べ物」のカテゴリーの中に、前回の記事で書いたキシリトールガムが入っているはずです。
chocolate
チョコレートも人間の食べ物のうちの一つですが、単独カテゴリーとして立てられるほど件数が多いということでしょう。

ペットは、思いの外手先が器用だったり、
興味を持ったものを手に入れるために執念を燃やしてしまうことも多々あります。

開けられるはずないと思う扉を開けてしまう猫ちゃんの動画を見たことがありませんか?

人間の不注意からペットが危険な目に遭わないよう
日頃から十分に注意をしていくことが大切ですね。

危険な”人間用の食べ物”と”植物”の詳細を、次回からのブログで引き続きご説明したいと思います。


  • ルシアン代表・すばる動物病院院長。栃木県生まれ。酪農学園大学獣医学部卒、獣医皮膚科学会所属獣医師。薬の長期連続投与より、ナチュラルケや予防医学に力を入れたいという思いから、メディカルハーブ協会・ハーバルセラピスト資格も取得。飼い主さんの良きアドバイザーになれるよう日々勉強中。趣味はスキーとテニス、時々ゴルフ。

メルをフードご寄付のためにご利用いただきました


こんにちは。獣医師の小林です。

ルシアンでは独自のポイント制度「メル」を導入しております。

「メル」は累計のご購入金額とご利用回数がある一定のラインを超えると、最大で20%還元になるお得なポイント制度です。

先日、ルシアンを長くご利用いただいている方(K様)から、「メルを利用し、そのメル分だけ動物保護団体様にフードを贈って欲しい」とのお申し出をいただきました。

ルシアンは、犬猫の殺処分ゼロを目指しており、これまでにも独自で動物保護団体様へフードの寄付や、野良猫・野良犬の保護活動、里親探し活動などを行ってきましたので、このようなお申し出は大変有難く、すぐにフードをお送りさせていただきました。

今後もこのような活動を続けていきますので、もし、K様のように、メルをフードのご寄付にお使いいただける際は是非、お申し付けくださいますと幸いです。
送り先の団体様はご指定いただくことも、こちらで選定させていただくことも可能です。

何卒、よろしくお願い申し上げますm(_ _)m

12月に入りすっかり寒くなりましたね。
私は大学時代に6年間北海道にいたので、寒さに耐性がついたと自負しておりましが、関東に戻ってきてすぐにこちらの寒さに耐えらなくなっております。。

皆様もお身体にお気をつけてお過ごしくださいませ。

COCO


  • ルシアン代表・すばる動物病院院長。栃木県生まれ。酪農学園大学獣医学部卒、獣医皮膚科学会所属獣医師。薬の長期連続投与より、ナチュラルケや予防医学に力を入れたいという思いから、メディカルハーブ協会・ハーバルセラピスト資格も取得。飼い主さんの良きアドバイザーになれるよう日々勉強中。趣味はスキーとテニス、時々ゴルフ。

獣医師・小林のシンプル解説〜フィラリア症のこと〜


こんにちは、ルシアンの獣医師の小林です。
暑い日が続いておりますね。
既に私は夏バテ気味です。

これから更に暑くなるのかと思うと、恐ろしくて夜も寝れない日が続いておりますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さらに、この季節の風物詩、人もワンちゃんも悩ます蚊も飛び始めましたね。

ということで、かなりわざとらしい流れですが、今回は蚊が媒介する犬フィラリア症についてご紹介させていただきます。

※夏バテと虫さされの影響で、記事用の画像の用意が思うように進まず、文字ばかりの記事になってしまいました。申し訳ございません。

フィラリア症ってどんな病気?

犬フィラリア症は、犬糸状虫という、成虫になると10〜30cmくらいの白くて細長い素麺のような寄生虫が心臓や肺動脈に寄生することで起きる病気の事を言います。

では早速ですが、フィラリアの成虫の画像を見ていただきましょう。
ちょっと気持ち悪いかもしれませんが、、、

フィラリア成虫画像

こちらは以前、フィラリア症にかかってしまっていたワンちゃんから手術で取り出されたフィラリアの成虫です。

この子は手術により心臓からフィラリアを取り出すことで、一命を取り止めましたが、こんな大きな虫が心臓に寄生しているので、フィラリア虫体が血管を塞いでしまい、突然命を落としてしまう子も多いのです。

このようにフィラリア症は一度かかってしまうと命に関わるとっても怖い病気なのです。

また、慢性経過をたどる子も多くいて、その際の主な症状は、
・咳が出る
・なんとなく元気がなくあまり散歩に行きたがらない
・運動するとすぐに疲れてしまう
・お腹に水がたまる
・失神を起こす
などが挙げられます。

フィラリア症の予防はどうやるの?

蚊の出ている間、お薬を毎月1回飲ませて予防していただく方法が一般的ですが、最近は年に1回のお注射でフィラリア症予防が出来るものも出てきました。

それでは、何故、お薬を毎月1回飲ませる必要があるのでしょうか?
その点についてイラストを混じえて少し詳しくご説明致します。

①蚊に刺されてから0日目

フィラリアの幼虫を持った蚊に吸血され、その時に蚊の体内からワンちゃんの体内へフィラリアの幼虫が侵入します。この時のフィラリアの幼虫の大きさはまだ1mm程度で、ワンちゃんの身体に害はないと言われています。

フィラリアの解説図

②蚊に刺されてから30日後

このタイミングでフィラリア症予防薬を飲ませます。
犬の体内に入ったフィラリアは、最初は皮下組織や筋肉内にいるのですが、早ければ蚊に刺されて(犬の身体にフィラリアが侵入して)50日後には筋肉を貫通して静脈内に侵入してしまいます。この状態になってしまうと、お薬を飲ませてもフィラリアをやっつけることはできなくなってしまいます。

ですので、この前にフィラリアをやっつけなくてはなりません。また、フィラリアがワンちゃんの身体に入ってから30日を過ぎると、薬が効きにくくなります。
ですので、蚊に刺されてから30日以内にお薬を飲ませる必要があります。

③しっかりお薬を飲ませた!でもまだ油断は禁物・・・

お薬を飲ませた後にまだ蚊が飛んでいる場合は、また蚊に刺されてフィラリアがワンちゃんの身体に入ってきてしまう可能性があります。ですので、また30日後にお薬を飲ませます。このように蚊が出てるシーズンは月に1回、お薬を飲ませてフィラリアをやっつける必要があります。

フィラリア症予防薬は、蚊が出てから30日以内に飲み始め、その後、月1回ずつ飲ませていき、蚊がいなくなった1ヶ月後にお薬を飲んでそのシーズンの予防が完了となります。

④予防をしないと・・・

もしフィラリア症予防薬を飲ませなかった場合は、静脈内に侵入し、ワンちゃんの身体に入ってから70〜100日後には大きさが2〜4cmほどに成長し、肺動脈に到達し、そこからさらに成長し成虫となります。成虫の大きさはオスで10〜20cm、メスで20〜30cmにもなります。

⑤フィラリアの感染源に・・・

成虫になったフィラリアはワンちゃんの体内で赤ちゃんを大量に産みます。
そしてこのワンちゃんの血を吸った蚊が他のワンちゃんの血を吸うことで感染が広がっていきます。

ワンちゃん自身がフィラリアによって命を落としてしまう可能性があるだけでなく、フィラリアの感染源になってしまいます。

フィラリア症予防薬はフィラリア駆虫薬!?

フィラリア症予防薬は、ワンちゃんの身体に入ったフィラリアの幼虫を駆虫するお薬です。

蚊に刺されないようにするためのお薬でもなく、フィラリアをワンちゃんの身体に入らないようにブロックするお薬でもありません。

予防薬と呼ばれているので蚊に刺される前に飲んで、フィラリアを予防するというイメージがありますが、実際には蚊に刺された後に飲ませる必要があります。

なので、特に予防シーズン最後の投薬には注意しましょう。フィラリア症予防薬を最後に飲ませた後に、蚊に刺されフィラリアに感染してしまうと、次の春にはフィラリアが成虫になってしまうからです。シーズン最後はしっかり蚊がいなくなってから余裕を持ってお薬を飲ませてあげることをオススメ致します。

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フィラリア症はかかってしまうと、命に関わる怖い病気ですが、お薬を飲ませることで100%予防することが出来ます。大切な家族のためにフィラリアの予防をしっかりとしましょう。


  • ルシアン代表・すばる動物病院院長。栃木県生まれ。酪農学園大学獣医学部卒、獣医皮膚科学会所属獣医師。薬の長期連続投与より、ナチュラルケや予防医学に力を入れたいという思いから、メディカルハーブ協会・ハーバルセラピスト資格も取得。飼い主さんの良きアドバイザーになれるよう日々勉強中。趣味はスキーとテニス、時々ゴルフ。