狂犬病 あなたの認識は正しい?


狂犬病は撲滅されたんでしょ?

 

日本国内では1956年以降、人の狂犬病発症がなく、動物では1957年の猫が最後でした。

しかし、2006年にフィリピンで犬にかまれ、帰国後に死亡した輸入感染事例があり、全世界では年間約5万5千人が死亡しているのが現状で、完全に撲滅された病気ではありません。

日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドなどの一部の国々を除いて、依然として全世界に分布しています。

つまり、海外ではほとんどの国で感染する可能性のある病気です。

 

 

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〜厚生労働省 感染症情報より〜

 

 

狂犬病は人にもうつるの?

 

狂犬病はすべての哺乳類に感染することが知られており、もちろん人も例外ではありません。

人も動物も発症するとほぼ100%死亡する恐ろしい病気です。

 

狂犬病は感染してから発症するまでの期間(潜伏期)が一般に1ヶ月から3ヶ月あります。(長い場合には感染してから1年から2年後に発症した事例もあります。)

発症前に感染の有無を診断することは出来ません。

狂犬病に感染した動物に噛まれるなどして、感染の可能性がある場合は、発症する前の期間に暴露後ワクチンプログラムで合計6回のワクチンを受け、発症を防ぐ方法が取られます。

 

 

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飼い主の義務って何ですか?

「狂犬病予防法」(昭和25年法律第247号)により、91日齢以上の犬の所有者は、その犬を所有してから30日内に市町村に犬の登録をし、鑑札の交付を受けるとともに、狂犬病の予防注射を犬に受けさせ、注射済票の交付を受けることが義務付けられました。

 

現在、日本国内では狂犬病の発生はありませんが、近隣諸国では狂犬病がまん延しており、日本への侵入リスクは皆無ではないためです。

厚生労働省では、犬を飼われている方は社会に対する責務として、犬の登録と年1回の狂犬病の予防注射を必ず行うよう呼びかけています。

 

これに違反して、狂犬病予防ワクチンの接種を怠ると、20万円以下の罰金が科される、あるいは予防注射義務違反で逮捕される場合があります。

 

狂犬病予防接種受けさせなかった疑いで逮捕

朝日新聞デジタル 2018年2月19日23時15分

 

また、狂犬病予防の観点から、犬を海外に連れて行ったり、海外から連れて帰ってきたりする場合には、農林水産省動物検疫所で検疫を受ける必要があります。

 

狂犬病予防ワクチン接種、接種後の登録証申請など、すばる動物病院にご相談下さい。

 

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  • ルシアン代表・すばる動物病院院長。栃木県生まれ。酪農学園大学獣医学部卒、獣医皮膚科学会所属獣医師。薬の長期連続投与より、ナチュラルケや予防医学に力を入れたいという思いから、メディカルハーブ協会・ハーバルセラピスト資格も取得。飼い主さんの良きアドバイザーになれるよう日々勉強中。趣味はスキーとテニス、時々ゴルフ。