抗生物質と耐性菌-その3(抗生物質が人も動物も太らせる?)


こんにちは。獣医師の小林です。

風邪の原因はウイルスがほとんどなのに抗生物質が処方される話と
抗生物質の使いすぎが耐性菌を生んで、抗生物質が菌に対抗できない日が来るかもというお話をしました。

中国で発見されたスーパー細菌は、養豚場で見つかっています。
主に動物に使われる最強の抗生物質「コリスチン」まで効かなくなって大騒ぎとなった訳ですが、
何故そんなにも多くの抗生物質が家畜に使われるのでしょうか?

家畜に抗生物質が使用されるようになったのは1948年で
テトラサイクリン系のオーレオマイシンという抗生物質が最初だと言われています。
テトラサイクリン系の抗生物質は値段的にも安価で、対応範囲が広いことから
畜産の分野で広く使われるようになりました。

ひよこや子豚に抗生物質入りの飼料を食べさせるとより早くより大きく育つことから
抗生物質入りの飼料は、安価な肉を供給するために必須の飼料となっていきました。

オーレオマイシンが使われ始めた1950年代は、
大きいことは良いことだという風潮が大勢を占めていた時代です。
大きく育つ家畜がもてはやされた訳です。

当時、どうして抗生物質が家畜を太らせるのかといメカニズムを気にした人はいなかったといいます。

1980年に、家畜飼料に混ぜられる抗生物質パウダーのあまりの多さと
それが家畜を太らせていくことに驚いたニューヨーク大学のブレイザー教授は、
数年をかけて抗生物質とマウスの成長に関する研究をしました。

そこから導かれてきたのは、腸内細菌と肥満との関係性です。
抗生物質が有用な細菌までも殺してしまうことが肥満の原因になっているのではないかと考えた訳です。

ブレイザー教授の著書「失われてゆく、我々の内なる細胞」の中にこのような記述があります。

19世紀に始まる細菌学によって、人類は微生物が病原になりうることを知った。
そしてカビに殺菌力が見出される。抗生物質の発見である。
以来この薬は無数の命を救う一方、「念のため」「一応」と過剰使用されてきた。

これは、抗生物質は仮に治療に役立たなくても「害」は及ぼさない、という前提に基づいている。

しかし、それが間違いだとしたらどうなのか――。

抗生物質の過度の使用は、先の記事でも書いたとおり
耐性菌を生む結果となりました。

そして、家畜を太らせるだけでなく
人間の肥満の原因因子にもなっているのです。
(動物が太るのですから、人間が太るのも当然ですね)

ブレイザー教授は
『今日の米国人が体内に保有している細菌の種類は、抗生物質にさらされる機会が少なかったアマゾンの原住民のそれの3分の2ほどでしかない。』
と言っています。

そして、食欲の調整を手助けする腸内細菌が、人間の体内から減っていることに
大きな懸念を抱いているといいます。

抗生物質は感染症から人類を救う夢のような薬でした。
しかし、それは「適正」に使用していればこその話です。

肥満やオーバーウエイトは、アメリカをはじめとした先進諸国の大きな社会問題となりつつあります。
「一応、念のため」と抗生物質を過度に使用することで腸内細菌を殺し、その結果肥満を招く。
さらに、家畜に大量投与された抗生物質が食肉に残留して
それを食べることで抗生物質を体内に取り込んでいるという悪循環もあると思います。

私たちにとって身近になった薬=抗生物質の使用について
真剣に考え直さないといけない時期にさしかかっているように思います。

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「失われてゆく、我々の内なる細胞」
著者のマーティンJ・ブレイザーは、ニューヨーク大学の微生物学教授。
『タイム』誌によって、2015年の「世界で最も影響力のある100人」のひとりに選出されました。

抗生物質の使用を減らす========豆 知 識 =======

抗生物質の代わりにアクアリブを使う
⚫️ペット編
わんちゃん、ねこちゃんも風邪を引きます。
犬の場合はケンネルコフと総称され、猫はアデノウイルスなどの感染で症状が出ます。

犬や猫の場合もウイルスが原因として引き起こされる症状が多く、
抗生物質の投与は効果がない場合が多いと言えます。

万一ペットが感染してしまった場合は、喉に直接アクアリブをスプレーしてみましょう。
猫ちゃんの場合は、一人では難しいかもしれませんので、二人組みになってやると良いでしょう。
グッと大きく口を開けて、サッとスプレー。
長引かせずに一瞬で済ませてしまうのがコツです。
ペットの口腔にスプレーのノズルが接触した場合は、コットンなどに含ませたアクアリブで拭き取っておくのを忘れずに。
一日数回スプレーしてあげると良いですよ。

⚫️飼い主さん編
犬や猫と違って、うがいや手洗いができる飼い主さんは
帰宅したらすぐに、10倍希釈のアクアリブでうがいをして
石鹸で手を洗った後に、アクアリブを手指にスプレーしてください。

コバルトボトルを持ち歩いて、出先では喉に直接スプレーしてしまうのも良いですね。

家族の誰かが感染してしまった時、他の人にうつらないようにするために・・・
受験生や高齢者がいて、外からのウイルスをシャットアウトしたいとき・・・
こんな場合は噴霧器によるお部屋丸ごとの空間除菌がオススメです。

※アクアリブは細菌だけでなく、ウイルスや真菌に対しても効果が確認されています
※アクアリブは耐性菌を発現しにくい除菌ができます


  • ルシアン代表・すばる動物病院院長。栃木県生まれ。酪農学園大学獣医学部卒、獣医皮膚科学会所属獣医師。薬の長期連続投与より、ナチュラルケや予防医学に力を入れたいという思いから、メディカルハーブ協会・ハーバルセラピスト資格も取得。飼い主さんの良きアドバイザーになれるよう日々勉強中。趣味はスキーとテニス、時々ゴルフ。