ペットフードからサルモネラ菌に感染するなんて! そんなはずないでしょ! そう思われますか?
サルモネラ菌によるペットフードのリコールは頻繁に起こっていて、実はペットフードのリコール原因の代表格なのです。
サルモネラ菌は、様々な動物の腸管内に一種の常在菌として存在しているのですが、 人の消化管における菌数は極めて少ないと言われます。
そのため、ペットが感染するより、人が感染した場合は重篤な症状が起こります。
ペットフードがサルモネラ菌で汚染されていた場合、フードに直接触れなくても、フードが入っていたパッケージや、フードを入れた容器などに間接的に触れることで感染が起こってしまうのが問題です。
今回は、ペットフードとサルモネラ菌との関連を見ていきたいと思います。
私は、ペットを取り巻く食の危険性の問題から、オーガニックのヤラーをお勧めしてきました。
この方↓が愛犬”ダノ”のために作った世界で初めてのオーガニックペットフードです。
ペットフードは、日本では「雑貨」として扱われています。 大切な家族が食べるものなのに、「食品」ではないのです。
ヤラーはオーガニック認証のフードなので、ヤラーの工場では人間の食品製造と全く同じ衛生管理が行われています。
ヨーロッパの食品見本市へ行った方が、ヤラーの試食を勧められて驚いたという話をしてくれたことがあります。 普通はペットフードの試食を人に勧めませんからね。
その方が戸惑っていたら 『人が食べられないものをペットに食べさせますか?』 と聞かれたそうです。
残念ながら、多くの方が『人が食べられないもの』を、知らずに可愛い家族に与えているのが実情なのですが。。。
一般的なペットフードは、こんなわけで食品ではなく雑貨ですから、おのずと規制は緩やかになります。
中国産の原料や遺伝子組み換え作物を使っても「国産」フードと表記ができます。
認証マークなしでも、ウエブサイトでは「ヒューマングレード」と表示しているものもあったりしますが、 いざ問題が生じると、オンラインの表記は削除すればそれで済んでしまいます。
実際にヒューマングレードとホームページに書かれていたフードを食べて死んでしまった犬もいます。
パッケージに貼られた認証マークではありませんから、信じたほうがバカを見るという、なんともいたたまれないケースです。
そんな中で、唯一第三者の公的機関の監視の目が入るのが「オーガニック認証マーク」の有無なのです。
では、認証マークがないフードは、どんな原料で作られるのでしょう? なぜペットフードからサルモネラ菌に感染するのでしょう?
狂牛病の発生源として一躍有名になった「肉骨粉」というのを覚えていますか? 牛に飼料として与えた汚染肉骨粉がその原因だと言われ、『肉骨粉』って何?と一躍有名になりました。
さて、その肉骨粉はどのようにして製造されているのかご存知ですか?
アメリカのアニマルシェルターで安楽死された犬や猫が、回収され送り込まれるのが、レンダリングプラントと呼ばれる、動物性タンパク質の処理施設です。
ここには、安楽死のペットだけでなく、例えば狂牛病などの疾患が発症して食肉として適さない家畜、 つまり食用として”屠殺される以外の家畜”が運ばれます。
それだけではありません。 スーパーの廃棄食材は、プラスチックのラッピングが剥がされることなく、そのまま鍋に投入されていきます。 路上で轢かれた動物や、動物園で死んだ動物もそこへ運ばれます。
レンダリングプラントに運び込まれた動物の死骸は、ブルドーザーですくい上げられ、大きな鍋に投入され、らせん状のカッターでミンチにされ、今度は高温で煮込んで、油脂とタンパク成分に分離されていきます。
そうして出来上がるのが「肉骨粉」です。
通常、「食品」の衛生管理を徹底する場合、HACCPやISO22000などの食品衛生管理システムが導入されます。
ヤラーの製造過程で導入されているこれ↓です
しかし、レンダリングプラントではどうでしょう? 地面に直接積み上げられた死骸を、ブルドーザーですくい上げるのですから、 衛生管理とはかけはなれた環境だと言わざるを得ないようです。
アメリカとカナダのレンダリング業界で作るナショナルレンダーズ協会では、レンダリングによって出来上がる肉骨粉が、サルモネラ菌で汚染されることが多いのを懸念して、「サルモネラ菌汚染対策プログラム」というものに取り組んでいるそうです。
業界としてサルモネラ菌対策を講じていかないとならないという危機感。 それだけ、サルモネラ菌汚染が頻繁に発生しているということだと思います。
しかし、実際にこのプログラムに参加しているのは、全部のレンダリング業者の20%にも満たないと言われ、功を奏しているとは言い難いのが現状らしいですが。
そして、この肉骨粉、牛には与えないことになりましたが、 ペットフードのタンパク源として使われ続けているのです。
犬や猫は、サルモネラ菌に感染しても症状が出ない場合もあります。 しかし、人の場合、サルモネラ菌に汚染されたペットフードに触れる、 あるいはペットフードに直接触らなくても、ペットフードが接触していた容器に触れただけで重篤な症状になることがあります。
2008年にサルモネラ菌汚染でリコールされた犬用のおやつに触ったのが原因で、カナダの13歳の少年が重体に陥った事件がありました。
幸いこの少年のケースは、ペットフードが度々サルモネラ菌汚染でリコールを起こしているのを知っていた、カナダ厚生部の職員のおかげで、 サルモネラ菌による症状ではないかと原因の特定が早まり、適切な処置が行われて一命を取り留めたそうです。 一時は急激に体重が7キロも激減して、重篤な症状になっていたということです。
私は、ペットフードのリコール情報をモニタリングしていますが、サルモネラ菌によるリコールは本当に多発しています。
もしあなたが、犬や猫と一緒に生活をしていて、ヤラーを使っていない、あるいは選んだフードに『認証マーク』が付いていなかったら、 ペットフードに触った後は良く手を洗ってください。もちろんですが食べてはいけません。
特に小さなお子さんや高齢の家族がいるご家庭では注意が必要です。
犬や猫が食べるものですが、オーガニック認証マークがないフードは、雑貨として扱われること、 レンダリングでつくられる肉骨粉が、タンパク源として使われることなどをしっかり覚えておいて下さい。
人間がサルモネラ菌に感染しないことを防ぐことは大切ですが、 そもそもサルモネラ菌汚染の心配のある不衛生な原料を使ったフードを、家族に与えていることをしっかり認識する必要があるかもしれません。
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[サルモネラ菌 関連トピック]
※CDCは、2018年6月14日付のケロッグ社の「Honey Smacs」というシリアルに関して、サルモネラ菌汚染によるリコールを発表しました。 サルモネラ菌は乾燥に対して比較的強く、乾燥保存された穀物の中でも長期間生存できると、米疾病予防管理センター(CDC/Centers for Disease Control and Prevention)の食品衛生の専門家が語っています。
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